●ブラックジャックによろしく１巻～７巻　講談社

　テレビドラマは観ていないのですが、興味があって、今の時点で出ている巻を購入して一気に読みました。

主人公の熱さに共感する部分もあるけれど、違和感を感じることもあり。正直で熱があるのはいいけれど、彼の行動の全てが正義とは思えなくて。

ある意味、悪であっても、それはその人の人生にとって正しい選択だったら善になることもあるので、正義だけで正しいと押し付けることがいいのかどうか…。

いいお医者さんになれる可能性を秘めているけれど、このままの人が本当にいたら、周囲も患者もやりづらいだろうなと思ったのも本音です。

一番面白かったのが、小児ＩＣＵ編でした。
超未熟児で産まれた子を、受け入れられない夫婦の気持ちが痛いほど伝わってきました。
そして、パーフェクトベビー願望という言葉も初めて知ったこと、親になるのにはものすごい覚悟が必要だけど、そこまで覚悟せずに子供を産むから、こういう問題がおきてくる（障害児を親が受け入れられない）ということ。

でも、私が本音で思ったのは、色々と覚悟を決めて、親になる資格を作ったりして、産むようにしたら、虐待も減ると思うし、きちんとした教育の素地のある家庭からの子供が多くなると思うけれど、そうしたら、より一層、少子化になるし、また、子供を産むことを選択するという差別化にも繋がるのかなと思ったりしました。

子供を産むというのは、段々、大きな社会問題になっていくんでしょうね。

癌病棟編は、主人公が間違っていると思う。
あなたの命は後数ヶ月で、助かる見込みはないけれど、一緒に頑張って戦いましょうなんて言われて、「はい、頑張ります」なんていえるものじゃないですよね。

残り数年あるならまだしも、後数ヶ月なんて言われて、抗がん剤を投薬されて、寝たきりになって、１ヶ月が３ヶ月になったところで、延命の意味があるのか？　と思ってしまいました。
これは個人の価値観ですよね。

でも、自分の人生を残り、どう過ごしたいのか、その意思が通るなら、告知は間違っていないと思いました。

病気がテーマっていうのは、奥が深いですね。
リアルな漫画だと思います。